体操選手紹介

レジェンドジムナスト|白井 健三

後世に伝え残すべき体操界のレジェンドをご紹介!

今回は「ひねり王子」こと白井 健三さんです!

白井 健三

1996年8月24日生まれ。
得意種目はゆか、跳馬。
超人的な跳躍力とひねりセンスを持ち、ゆかと跳馬でそれぞれ3つ、計6つのオリジナル技を持っている体操界屈指のスペシャリストです。

3歳から体操を始め、2011年の中学3年生時に全日本種目別選手権のゆかで2位に入り、日本中から注目を集めます。

2012〜2013年|日本から世界へ、新技を発表

2012年に若干16歳にしてアジア大会に日本代表として選出され、種目別ゆかでは15.225という高得点で優勝。
さらに翌年2013年、全日本選手権の種目別ゆかでは後方伸身宙返り4回ひねりを決めて15.900という高得点を叩き出し見事に優勝!
その時の演技構成には合計で22.5回もひねりを入れる超人的な演技構成を組んでいたことも話題になりました。

そして同年の世界選手権アントウェルペン大会ではゆかで新技「後方伸身宙返り4回ひねり」と「前方伸身宙返り3回ひねり」を、跳馬でも新技「伸身ユルチェンコ3回ひねり」を成功させ、それぞれ「シライ/グエン」「シライ2」「シライ/キムヒフン」と命名されました。
この驚異的な成績から国内では「ひねり王子」、海外では「Mister Twist」と賞賛され、一躍世界から注目を集める選手となりました。

2015年|大学へ進学、さらなる超人的新技を発表

2015年に日本体育大学へ進学。
同年の世界選手権グラスゴー大会では37年ぶりの団体金メダルを獲得し、さらに種目別ゆかでも金メダルを獲得しました。

そして同年の豊田国際にてH難度の超超超超大技「後方伸身2回宙返り3回ひねり」を発表し、ゆかで3つ目のオリジナル技「シライ3」と命名されました。
抱え込みで行うリジョンソンですらまだ実施できる選手が少ない時代に伸身でやってしまうこの超人技に世界中の体操ファンが腰を抜かしました

2016年|オリンピック初出場、5つ目の新技を発表

2016年リオデジャネイロオリンピックにてオリンピック初出場!

得意種目のゆかと跳馬で団体金メダルに大きく貢献し、種目別跳馬で自身のオリジナル技「シライ/キムヒフン」をさらに進化させた「伸身ユルチェンコ3回半ひねり」を成功させ、銅メダルを獲得。
この技は「シライ2」と命名され、跳馬において自身2つ目のオリジナル技を持つことになりました。
ちなみに日本人がオリンピックの種目別跳馬でメダルを獲得したのは1984年のロサンゼルス五輪以来、実に32年ぶりという快挙でした。

2017〜2018年|日本のエースへ、6つ目の新技を発表

2017年の世界選手権モントリオール大会では怪我で欠場となった内村航平が見守る中、個人総合で銅メダルを獲得。さらに種目別ゆか、跳馬で金メダルを獲得し、日本体操のエースとして大活躍を見せました。

さらに同年の種目別W杯メルボルン大会にて跳馬で自身3つ目の新技「シェルボ2回ひねり」を発表し、こちらはシライ3と命名され、これにより跳馬でも3つのオリジナル技を持つとんでもない選手になりました。

翌年2018年世界選手権ドーハ大会では団体で銅メダル、種目別ゆかで銀メダル、跳馬で銅メダルを獲得しましたが、それ以降は度重なる怪我や不調に悩まされ中々思うような演技ができない状況が続きました。

2021年|突然の現役引退、そして…

そして2021年、東京オリンピックの選考が終わった6月16日に突然現役引退を発表。
24歳という若さでの引退に惜しむ声が多くありましたが、ご自身は元々東京オリンピックの年までと決めていたそうで、自身の現役生活を振り返っても「幸せな競技人生だった」と語っています。引退の理由は選手としての限界ではなく、「自分がこれまでさせてもらった貴重な経験を選手に伝えていきたいという思いが強くなったから」とのことで、その言葉通り引退後は日本体育大学にてコーチとして後輩の育成・指導にあたる傍ら、メディアや全国でのイベント出演など精力的に活動されています。

ちなみに引退した翌年3月に行われた内村航平さん最後の演技会「KOUHEI UCHIMURA THE FINAL」では、ゆかで3つのオリジナル技を、跳馬ではシライ/キムヒフンを行うという現役のトップ選手も2秒で逃げ出したくなるような演技を見せ、師匠「内村航平」の最後の演技会に華を添えました。
選手としての限界が引退理由ではないという自身の言葉の伏線を見事に回収されていますね!(バケモンかよ!)

最後に

今回はひねり王子、Mister Twistこと白井健三さんをご紹介してきました。

跳躍力、そしてひねりセンスという自分の強みを徹底的に追求した先に生まれた6つのオリジナル技は、引退した後も長きにわたって選手たちの目標として体操界に残り続けていくでしょう。

今後、白井健三さんが育てた選手もどんどん出てくるでしょうし、白井さんの今後の活躍にも注目しながら見ていきましょう!

(画像出典:白井健三さんのInstagramより)