体操ルール解説

《体操競技ルール解説》D得点とE得点とはなんぞ?

今日は器械体操のルール解説ということで、D得点とE得点について解説します!

「すごい演技だった!でも意外と点数が低い気がする?」
「えっ!この選手なんでこんな点数高いの?」
テレビで体操を観ていてそんな風に思ったことはないでしょうか?

複雑そうな体操の採点ですが、D得点とE得点について知っているだけで見え方が変わります!
早速学んでいきましょう!!

D得点とE得点

めちゃくちゃザックリ言うと、体操の点数はD得点とE得点の2つの点数から算出されます。

D得点(Difficulty Score)
超ザックリ言うと『技の難しさ』を表すスコアです。
各種目にはいろんな技があってそれぞれに難度が設定されています。
例えば鉄棒の「コールマン」はF難度、カッシーナはG難度といった感じです。
それぞれの難度には難度点(価値点ともいう)が設定されていて、A難度=0.1、B難度=0.2、C難度=0.3…というように難度が1つ上がるごとに難度点も0.1ずつ上がっていきます。
D得点は一回の演技の中に組み込んだ技の難度点の合計値のことです!
実際には技の難度点の他にも組み合わせ加点などの要素もありますが、ここではザックリD得点ってこんなもんなんだと思っていただければありがたいです。

E得点(Execution Score)
こちらはザックリ言うと『演技の美しさ』を表すスコアです。
E得点は最大10.0ポイントが与えられ、演技中にミスをするとこの10.0ポイントからどんどん減点されていきます。
「E得点が高い」ということはそれだけ減点の少ない美しい演技だったということですね!
減点の対象や減点数についてはまた別で解説したいと思いますので、ここではザックリE得点ってこんなもんなんだと思っていただければありがたいです。

点数の付け方

選手は自分が行った技の難度点であるD得点+E得点の合計得点が持ち点(満点)となります。

器械体操の審判はD審とE審に分かれて、D審は演技中の技の難度から難度点を計算し、E審は演技全体の中で減点を付けていきます。

そして技の難度点の合計得点(D得点)+減点を引いたE得点の合計値が、その演技の点数となります。
例えば、
D得点が6.0ポイントあり、演技中の減点が1.0ポイントだった場合、
6.0+(10.0-1.0)=15.0が最終得点となります!

最後に

D得点、E得点についてザックリ解説してきましたが、いかがでしたでしょうか??
ちなみにD得点、E得点分けた採点方式は2005年から採用されています。
それまで体操は10点満点が最高点だったので最初の試合で13.000とか出たときは「ん?この点数はよかったのか?」と若干戸惑いましたw

ボクは現在の採点方式になったことで体操競技が大きく変わったように感じてます。
それまでは多少の実施減点は気にせずに高難度な技をガンガンやって高得点を稼ぐ選手もいれば、地味だけど性格な演技で減点を抑える選手もいて、所感ですがどちらかというと前者の選手の方が上にきていた気がします。

でも今は、
・高難度な技をたくさん行っても美しくなければE得点が低い
・減点の少ない美しい演技でも難度が低ければD得点が低い


つまり、高難度な技を美しく行うことがより求められるようになったんですね。

体操の技は日々進化していて、ボクが現役の頃はA,B,C,D,E,SE(スーパーイー)の6段階しか難度設定はありませんでした。
でも今ではA,B,C,D,E,F,G,H,Iまで難度が設けられ、もはや人間技ではないのでは!?と思っていますw

是非みなさんも体操競技を観るときは、このD得点とE得点それぞれの点数にも注目してみてください!